作者のイアン・ファルコナーは1959年にアメリカで生まれました。
雑誌「ニューヨーカー」の表紙を手がけるイラストレーターでもあり、またニューヨークシティバレー団、サンフランシスコオペラ劇場などの舞台セットや衣装デザイの仕事も担当しています。
ファルコナーにとっての初めての姪が生まれた時、その愛らしさに魅せられた彼は何か特別なプレゼントをしてあげたいと考え、そこから生まれたのがオリビアの絵本でした。
ちなみに、その姪の名前もオリビアでした。
子ぶたの「オリビア」シリーズ
Lexile指数 200L-295L
2000年出版。
邦題「オリビア」。ニューヨークタイムズ誌で52週連続ベストテン入り、全米書店員が選ぶ「2000年度売ることに最も喜びを感じた本」賞受賞、2001年度コールデコット賞銀賞受賞。
無駄な線を極力廃したチャコールグレーの木炭で描かれたイラストが、絵本を優しい雰囲気に仕立てています。また、差し色として入っている赤色がこれまた絶妙なバランスで、私などは、オリビアの物語よりも、まずはこのイラストのほうに心をひかれました。
ニューヨーカー誌のアーティスト、イアン・ファルコナーが木炭で描いた子ブタのかわいらしいポートレートは、ポイントとなる部分だけが真っ赤なグワッシュで色づけされている―― これは赤、ピンク、白、黒でヒラリー・ライトが描いたオリビアの人間の子ども版、エロイーズをたたえての色遣いとも思われる。ドレス・アップするときには、耳につけるリボンも口紅もハイヒールも、ぜんぶ赤(一度だけ、グレーの色調の体が日焼けしてピンク色になり、水着の部分だけが白く残ったシーンがあるけれど)。ファルコナーは、控えめな文章にジョークを盛り込んで絵の鮮烈なイメージを生かした―― その絵と文のさりげないユーモラスな絡み合いは、子どもだけでなく大人も楽しめる。
ちなみに日本語訳は谷川俊太郎が手がけています。
Olivia Saves the Circus
Ian Falconer,Ian Falconer,Dame Edna
Atheneum Books for Young Readers
2010-11-16
2001年出版。
邦題「オリビア サーカスをすくう」。Booksenseの絵本部門ブックオブザイヤーを受賞。
バケーションの間に何をしたか、クラスみんなの前で発表することになった。でもオリビアは平気。緊張なんてしない。だって、何をしたかはよく覚えている。オリビアは、サーカスに行ったのだ。「ところが着いてみたら、サーカスの人はみんな耳の病気にかかっていたの」
でもだからって、中止するわけにはいかない。そんなところへちょうど現れたオリビアは、飛び入りでサーカスを助けることにした。ゾウに乗ったり、マーカーで絵を描いてイレズミ女を演じたり、ライオンに芸をさせたり、綱渡りをしたり、曲芸をしたり、ピエロになったり、それはもう大活躍。すてきな折り込みページの中で、我らが子ブタのヒロインはトランポリンの女王になり、サーカスの大スターとして君臨する。「そうしてサーカスを助けた私は、いまや人気者」。話を終えたオリビアは得意げだけど、先生は感心していないようだ。
Olivia . . . and the Missing Toy
Ian Falconer,Ian Falconer,Dame Edna
Atheneum Books for Young Readers
2010-11-16
2003年出版。
邦題「オリビア…ときえたにんぎょう」
2006年出版。
邦題「オリビア バンドをくむ」。
なんでも上手なすごいコブタ、オリビアが、「ひとりバンド」を結成! 花火大会のパレードに、5種類の楽器を装備して参加しようとするのだが…。
Olivia Helps with Christmas
Ian Falconer,Ian Falconer,Dame Edna
Atheneum Books for Young Readers
2010-11-16
2007年出版。
邦題「オリビア クリスマスのおてつだい」。
クリスマスイブ、オリビアは飾りつけを手伝いながらサンタを待つ。5時…サンタは来ない。7時…まだ来ない。サンタは本当に来るの?
2010年出版。
2012年出版。
その他
Olivia, Olivia Saves the Circus, Olivia…and the Missing Toy, Olivia Forms a Band, Olivia Helps with Christmas, Olivia Goes to Venice, and Olivia and the Fairy Princessesの7作品がひとつにおさめられたボックスセット。
2006年出版。
大人向けの格言集。様々な人の名言にオリビアの挿絵。